特集

門司工場の歴史と現在

神鋼リードミックを訪ねる

 

神鋼リードミックは、1984(昭和59)年に設立したリードミックのめっきを中心とした事業と、1985(昭和60)年に門司工場で開始したリードフレームをプレスする事業を統合して2002(平成14)年11月に設立した。JR鹿児島本線を挟んだ山側にあり、門司工場が創業した1917(大正6年)当時の工場の壁などが一部遺されている。神鋼リードミックの現在の取り組みについて話を伺った。

管理部長 兼総務室長 兼製造部生産管理室長
岡本寛之 氏
担当役員補佐 
松本勝臣 氏
品質管理部 部長 
三井俊幸 氏

現在の主要な取り組みについて教えてください。

 
  神鋼リードミックは、金型の製作からスタンピング、さらにめっきまでの、リードフレームの一貫生産体制で取り組んでおり、この事業が全体の4割を占めています。現在の主力製品となっているのは、エンジン系、燃焼系用リードフレーム、駆動系などの制御モジュール用リードフレームなど、車載用途が多く、とくに点火プラグ制御用リードフレームに関しては、現在国内で生産されているエンジンの大半に採用されています。また、車載用途のほかにも、家電などのインバーターに使われるモジュール用のリードフレームを生産しています。神鋼リードミック全体としては、今後IoTなどを活用したスマートファクトリー化を積極的に推進し、さらなる飛躍を目指しています。
 
リードフレームの原料
となる銅合金
リードフレームの金型  
   
   
   

めっきにはどんな種類がありますか。


30m以上にもおよぶ製造・めっきライン(一部)
  当初は、材料めっき、外装めっきが主力でした。材料めっきはプレス加工をする前のめっきで、ニッケルめっきと銀めっきが主力となっています。これは「めっき付き素材」としてお客さまに供給するものと、社内プレス加工後に、「めっき付きリードフレーム」として製品化するものがあります。外装めっきは、お客さまでアッセンブリが終わったものにめっきするものです。以前は3割近くの売上がありましたが、現在は1割ほどに落ち込んでいます。これを補う面で、2005(平成17)年に開始したのが端子コネクタ用のめっきです。基盤に差し込むプレスフィット端子用として削れない錫めっき処理をほどこしたものや、エンジン向けのワイヤーボンディング端子用めっきなど特殊なものが多いのが特徴です。端子コネクタ用のめっきでは後発メーカーなので、他社がやらないニッチで高度な技術が求められる製品に力を入れており、着実に業績を上げています。

最初から車載の用途が多かったのですか。



生産されるリードフレームのすべてを検査する
  以前は神鋼リードミックのお客さまは家電メーカーがほとんどでした。しかし半導体組立メーカーの多くが海外に生産拠点を移してしまったので、神鋼リードミックが国内で作れるものがなくなってしまいました。そこで、自動車車載製品に取り組むことになったのです。2012(平成24)年を境に急激に生産量を伸ばしており、それにともなって設備も充実させています。車は、ハイブリット車が増えたこともあり、いろいろなものが自動制御になりました。車そのものが家電製品のようになっているわけです。となると、電子機器をたくさん乗せるためには小さくしなければならない。より複雑なものが要求されるようになります。そうした難しい要求にこたえられることが神鋼リードミックの強みだと思います。これからは、車載用途で培ってきた技術を、産業機器、エネルギー、インフラ分野にも拡げていきたいと考えています。

門司工場の名残を感じさせる建屋があると聞きましたが。


100年前の門司工場の壁
  門司工場の長い歴史の名残と言えば、「旧事務所」と「工場外壁」が残っています。「旧事務所」社屋は現在倉庫になっていますが、昔の船大工が作った事務所ということで、船舶を思わせる円い窓が特長です。また、JR線路に面した外壁には、当時の「工場外壁」の煉瓦がそのまま残っています。煉瓦棟の建屋内では、「熱間静水圧押出プレス」が稼働しており、歴史の重みの中で最新技術を支えています。これは門司工場とは関係ありませんが、女流小説家の林芙美子(1903年- 1951年)の生家がこの敷地内にあったことから記念碑が建てられており、文学的にも大変貴重な場所となっています。 。
     

林芙美子の生家があったことを記念した碑
昭和8年に建てられた旧事務所の内部と特徴的な丸窓

 

 

神鋼リードミック株式会社の概要 
創 立      : 2002年10月1日
資本金      : 4億5千万円
従業員数   : 205名(2017年3月1日現在)
所在地      : 福岡県北九州市門司区小森江2丁目2-1

 

 

 
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