特集

情報誌で振り返るアルミ・銅の歴史 ③(1991~2016)

各分野で活躍するアルミ・銅

やさしい技術・ワイド版 (1991年6月208号)


タブが蓋から離れないSOTもこのころ普及
  205号からスタートした「やさしい技術」は、日頃なかなか知る機会がない技術の話をやさしく、楽しく理解してもらおうという人気コーナー。この号では、そのワイド版として「アルミ缶材」を取り上げた。当時のアルミ缶化率は約30%で、記事ではそのころ普及し始めたタブが蓋から離れない構造のステイ・オン・タブ(SOT)の開けにくさを問題とし、材料の面からも加工条件の面からも“開けやすいSOT”の研究が行われていると伝えているほか、ネック部分の加工技術や蓋に使われるアルミ材、底がへこんでいる理由などが解説されている。またアルミ缶のメリットのひとつとしてリサイクル性の高さをあげ、リサイクル運動も促していた。ちなみに2016年度のアルミ缶リサイクル率は92.4%であった。

KFC物語 (1991年9月209号・11月210号)


紆余曲折を経て発展した電子材料用合金
  世界に誇る電子材料用合金「KFC®」「KLF®」を前半、後半と2号に渡り特集。記事では研究が始まった当初、電子材料専門家である坂本博士にKFC®に関するデータを見てもらったところ「この合金は非常にいい。リードフレームに適している。製造するのは大変難しいが、頑張ってできるだけ完成させてほしい」と太鼓判を押され、研究スタッフたちが大いに力を得たというエピソードが紹介されている。誕生のきっかけから、さまざまな製造の苦悩を経て売れる材料へと発展するまでの誕生物語は読み応えのあるものとなった。

JR東海300系新幹線、デビュー 西へ東へアルミが、走る(1992年4月212号)


車両におけるアルミ技術は今なお進歩している
  1992年3月に走行開始した新幹線「のぞみ」は、最高速度時速270㎞で東京-新大阪間を2時間30分で結ぶ理想の高速車輛として話題になった。20年ぶりにスピードアップした新幹線は車両の大幅な軽量化が実現。特に足まわりの車軸受けに相当する箱軸から動力用モーター、車軸へ伝える駆動装置用歯車箱など重要保安部分にアルミが採用されたことが特徴的で、軸箱、歯車箱に神戸製鋼の材料が選ばれている。記事では、「のぞみ」の車両が薄肉化された大型形材の加工アルミ素材を活かしたアルミ合金構体で、その大型押出アルミ形材が神戸製鋼の長府製造所で造られていると伝えている。また、世界に誇れるアルミ車輛として構体構造を紹介しているほか、美しく快適なエクステリアとインテリアについても紹介している。

サイエンスストーリー「磁気ディスク」 遥かなる0.1ミクロンの宇宙を行く (1995年3月229号)


メカニズムや、最新技術を解りやすく解説した
  1957年に登場した世界最初のハードディスク装置は、直径60cm、厚さ2.5mmのディスクを50枚使用するという巨大なものだったのにもかかわらず、記憶容量はほんの5メガバイトであった。それから飛躍的な進歩を遂げてきたハードディスクは、開発当初からアルミ素材が使用されている。その理由は、非磁性、優れた加工性と表面処理性、軽量かつ高速回転にも対応し汎用品としてコストも抑えられるといったディスク基板に求められる特性の多くをアルミが満たしているからである。記事では、ディスクの記憶メカニズムや最新技術などを紹介している。

 
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